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執筆者の写真sanyukai

八ヶ岳 赤岳  2016.3.14~15






14日 美濃戸口11:20ーーー美濃戸山荘12:20ーーー赤岳鉱泉14:45

15日 赤岳鉱泉7:50ーーー行者小屋8:35ーーー中岳分岐10:20ーーー行者小屋11:25/11:50ーーー

---美濃戸山荘13:35ーーー美濃戸口14:35

今年のお正月の天狗岳で初めてきちんとピッケルを使った私が、無謀にも赤岳に挑戦してきました。ベテランのSさんとご一緒させて頂いて、とても勉強になりました。

1日目、美濃戸口でバスを降りた時には既に雪が降っていて、誰もいない静かな森の中をひたすら歩きました。バスに乗っていたのは私たちだけで、会うのは下山してくる人や小屋の人だけだったので、今日入山する人は殆どいないのでは…と心配になりました。最初は足首くらいまでだった雪が、上に行くにつれ段々と深くなっていき、雪が靴の裏にくっついたりして歩きにくかったです。バテ始めた頃に、漸く赤岳鉱泉の建物と、有名なアイスキャンディが見えて、安心しました。

小屋で受付をする際、赤岳に向かった人が腰までの雪で撤退してきたと聞き、翌日の事が不安になりました。天候が荒れたときの第2案の硫黄岳も、トレースが無いそうで、二人で行くのは難しいとの事でした。人気の小屋だけあり、思ったより宿泊客がいました。結局アイスクライミングの人やバリエーションの人もいて、同じ山域でも黒百合ヒュッテとは大分雰囲気も違うと感じました。小屋のご飯は美味しくて、トイレは綺麗で温かく、布団も悠々使え、大満足でした。朝からの雪は一晩中止まず、翌朝まで降り続きました。

2日目、行けるところまで行ってみようと、赤岳を目指すことにしました。雪は深かったですが、先に出た方々がばっちりトレースを残してくださっており、行者小屋までは苦労せず行けました。天気は最高に良く、行者小屋からの赤岳~阿弥陀岳はとても迫力があり格好よかったです。

文三郎尾根から先は雪が深く、行者小屋で会った若い男性3人組も赤岳を目指すということで、途中から先に行って貰いました。森林限界を超えた後も新雪で足場は悪く、ピッケルの効き具合も心許なく、落ちたら下まで止まらないと思うと怖かったです。時々出ている鎖を掴みながら必死に進みました。風も強くなってきており、新雪で先行者の踏み跡があっという間に消えてしまい、関口さんが作って下さった足場を頼りに進みました。中岳の分岐に出る直前、先ほどの3人組が強風で諦めて降りてきました。その前にガイド登山のパーティーともすれ違いましたが、恐らく同じところで撤退したのだと思います。それでも後少しだからと、とりあえず私たちも中岳の分岐まで行きましたが、凄い強風で、無理すると下りが心配だからと、そこで引き返す事にしました。残念でしたが、稜線から見た阿弥陀岳がとても格好良く、それだけで行った甲斐がありました。雪が柔らかくて下りも緊張しました。少し下ると風は弱くなり、無事に行者小屋まで降りた時はほっとしました。

朝はついていなかった南沢ルートのトレースが降りてきたらついていたので、南沢から下山します。下りはじめは腰上まで雪がありましたが、徐々に浅くなり、さくさくと良いペースで下れました。全く人のいない南沢は静かで、新雪で森が美しく、幻想的で歩くのが楽しかったです。バスは運休だったので美濃戸口からタクシーで帰りました。

今回山頂までは行けませんでしたが、八ヶ岳らしい強風を体感し、雪上歩きの緊張感も味わえ、天気が良く綺麗な景色も見れて、とても勉強になりましたし楽しかったです。もう少し経験と体力をつけて、また再チャレンジしたいと思いました。

ただ、翌朝のニュースで私たちが赤岳を目指した同じ日に、阿弥陀岳南稜で雪崩事故があったと知りました。新雪が多く気温も上がったので雪崩の心配があるとはSさんも仰っていましたが、同じ日に隣の山で雪崩が起き、亡くなった人もいると知ってショックでした。ああいうコンディションで雪崩が起きるのだと実感を伴って知り、改めて雪山は怖いと思いました。それでも、また行きたいと思いました。色々な意味で、とても実になった山行でした。


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